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ミュージックライフ誌
1988年8月号インタビュー記事要約

 


雑誌のインタビュー記事はアルバム「SMALL WORLD」発売当時のものです。
サンフランシスコのミル・ヴァレーにあるゴミ収集場にて行われていた、ファーストシングル”スモール・ワールド”のビデオ収録の合間でのヒューイ・ルイスへのインタビューです。

 

Q:誰がこんな場所で撮影しようと考えたんですか?

A:みんなにさんざん嫌味を言われているから、あまり聞かないでほしいね。まあ、自分で言い出さなけりゃこんなところではやらないよ。


Q:この場所での撮影なら”パーフェクト・ワールド”の曲で表現したいことが分かるという訳ですか?

A:この世の中には完璧な世界なんて無いから、そこに住んでいる振りをするくらいしかできない。じゃあ、そうしようってね。


Q:ビデオについては否定的な考えを持っているのにそれでも作り続ける訳は?

A:レコードのプロモーションをやらなきゃならないからさ(笑)。


Q:「SMALL WORLD」、聞きましたがすごくいいですね。

A:ありがとう。今までの中では一番気に入っているんだよ。
今回はちょっと違ったものをやってみようということになって、売れるかとか、みんなに受けるかどうか、なんて考えないで作ったんだ。
ほとんどの曲はワールドツアーの最中に作ったものだから、思っていた以上にインターナショナルな仕上がりになっているね。今までに無かった種類の音楽をやったわけだけど、このチャレンジにはとても満足しているよ。
今までは商業的な成功とかをいろいろと気にしながらやっていたけど、今回はそれがなかったからすごく緊張せず曲も作れてプロデュースも楽だったよ。


Q:「FORE!」の時にはプレッシャーの話ばかり聞かれただろうけれど、今回の答えはもう考えてあります?

A:いや、まだ考えてないんだ(笑)。


Q:今回のアルバムのテーマは?

A:タイトル通り「世界は小さい(Small world)」ってことだね。
きっかけはディスコソングだったかな。ディスコソングって「腰を振って!腰を振って!(Shake hip! Shake hip!)」みたいな曲ばっかりだろ?だから社会的メッセージを含んだディスコソングを作ってみようかなと思ったんだ。それにジャズも取り入れてみようということになってね。
僕らはアメリカンバンドとして知られているわけだけど、コンセプトとしてはそれを拡大してインターナショナルなものにしようとしたんだ。アメリカっぽいものに飽きたっていうのもあるけどね。
アメリカの音楽も今では世界の音楽になってきていると思うし、それだけにアメリカだけっていう風にしているのにも無理がある。それに「アメリカの〜」とか「アメリカは〜」なんていう曲にも聞き飽きたし、目先のことばかりを歌っているような気がして、もっと視野を広げるべきだと思ったんだ。
ロックンロールは元々アメリカの音楽だけど、今やイギリスや日本でもロックバンドはあって、独自の文化を作り出しているわけだろ?もうロックは世界の物なんだよ。だから世界に目を向けてメッセージを送りたいと思ったんだ。


Q:「SMALL WORLD」って言葉には、世の中狭いっていうことと、宇宙からしてみれば地球なんて小さいっていう2つの捉え方がありますが?

A:そう!その2つの事を言いたかったんだ。
世の中には奪うばかりで与えるという事を忘れた人がいるけれど、みんな一緒にこの小さな世界に住んでいるのだから、ギヴ&テイクを忘れては生きていけないということを歌いたかったんだよ。


Q:今回はメンバーの曲も多いですね。

A:プレッシャーも無かったし書きやすかったんだ。
他の人が書いた曲も聴き続けているし、たまたまこうなっただけだよ。特に理由はないよ。
今回はいつも以上にミューズがついていてくれたのさ。
※ヒューイ・ルイスがいつも口にする、自分たちについていると考えている音楽の神の事。


Q:”パーフェクト・ワールド”はメンバーの曲ではないですね。

A:クローヴァー時代の仲間アレックス・コールが書いた曲なんだ。彼の曲をずっとやってみたかったんだけど、ぴったりなのがなくて、やっとこの曲を見つけたんだよ。


Q:今回、レゲェが多いですが、いつ頃から興味を持っていたのですか?

A:「ハーダー・ゼイ・カム」という映画を見てすごい音楽だと思ったんだ。それからすぐレゲェのレコードを買えるだけ買ったということがあったよ。72年か73年の頃だったね。


Q:”ウォーキング・ウィズ・ザ・キッド”は自分の体験から出来た曲ですか?

A:クリスの書いた曲がとてもパワフルだったんだ。で、突然自分の息子のことが思い浮かんで、父としての自分の立場を歌ってみたんだ。ちょっと皮肉っぽいけど。


Q:アメリカにおける父と子の関係を教えて下さい。

A:複雑な問題だね。う〜ん、愛と規律ってことかな。


Q:母と子の関係はどうです?

A:そいつを話すには5日はかかるよ(笑)。


Q:今回はインストゥルメンタルが2曲入ってますが。

A:バンドの音楽の幅も広がるし、全員がソロを取れるからね。


Q:衣装替えもできますね(笑)

A:そう、いいスーツを何着も持っているし(笑)。


Q:ツアーはいつから始まりますか?

A:8月から始まって、アメリカからヨーロッパを回るよ。日本は来年の春頃になるはずさ。
今度は前座無しで休憩を挟んだ2部構成になると思う。タワー・オブ・パワー・ホーンズともう一人パーカッションが加わるんだ。


Q:最後に日本のファンに一言お願いします。

A:レコード買ってくれよ!ってそれはないよな(笑)。
でも、今度のアルバムには僕ら本当に興奮しているんだ。楽しんで貰えるとうれしいな。
ビッグエッグを見るのが楽しみだ。みんなに会えることもね。

 

★おまけ★
同誌に掲載されていたメンバーの特徴

特徴と言えるのかどうか・・・。


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