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1999年11月アメリカ ラスヴェガス公演リポート
(シーザーさん)

 


(はじめに)

 ヒューイ・ルイス・アンド・ザ・ニュースのライブ・レポート」ということです、なんと大バカなことにコンサートの記憶が全くない。(笑)
 そうなんです。ライブが始まったと同時に興奮状態におちいってしまい、恥ずかしながら、ライブの内容をほとんど憶えていないのです。(二公演も観たにもかかわらず。)
 こんなアホが、このレポートを書いていますので、内容は主にコンサート前の準備や、ラスベガスのレポートが中心。 こんな私ですがHLNを応援する心は、皆さんと同じ。
 これから、海外でコンサートを観ようと思っている方の参考や、そうでない方には、ベガス公演の雰囲気だけでも味わってもらえたらと思いこのレポートを書きました。どうか、ご一読いただければ幸いです。


(準備編)

 はっきりとは憶えていませんが、確か1999年の6〜7月頃だったと思います。こちらのNadaiさんのHPの中にあったリンクのNewsline IIでHLNのコンサートの日程を発見しました。前々から「次に海外旅行に行く時は、コンサートを観たい。」と思っていたので、我を忘れ、食い入るように見てしまいました。
 HLNは5月上旬と11月の年2回、ほぼ定期的にラスベガスのシーザース・パレス・ホテル内のサーカス・マキシマムという会場で4日間連続のコンサートを行っている様子。(しかし、いくらHLNが好きだからと言っても、わざわざベガスにまで行くのもなー。)とまだまだ内心弱気です。(でもカジノあるしなー。)
 そんなことを考えていた矢先、私にとってはHLNと同じくらいファンであるブルース・スプリングスティーンが全米ツアーを開始したとの情報をゲット。もしここで、この2つが観られるのならアメリカに行こうと決心します。幸いな事にスプリングスティーンのツアーは、HLNとも日程的にも重なり、加えてラスベガスではHLNと同じ時期にリッキー・マーティンのコンサートもある様子。こちらも今回の旅行に加える事にしました。

 さて、行くと決めてから最初に考えたのが、「果たしてチケットは取れるのか?」という問題です。しかし、HLNは幸か不幸か、最近さほど人気があるとは思えず、それほど心配にはなりません。(他の二つのコンサートの方が、よっぽど心配。)4公演もあることだし、最悪ダフ屋にでも、あたろうと考えていました。(注意:なんと現地ではHLNにダフ屋は全く、いませんでした。しかも、通常、チケットの余った一般の人達が入り口付近で、チケットを売っているのに、HLNに関しては、誰1人余ったチケットを売っている一般の人もいませんでした。)
 しかし、チケット確保できればそれに越したことがないので、早速チケット獲得の為に動き始めます。

 まず、最初にあたったのがチケット・マスター(アメリカ版ぴあみたいなもの。)インターネットを使えば日本からでも簡単にチケットの予約が取れる大変ありがたいところ。(チケット引渡しは、当日会場だし。) 支払いもクレジット・カード決済なので、非常にラク。HLNのチケットもここで扱っているが、残念ながらラスベガス公演は取り扱いなしとの事。
 次に問い合わせたのが、アメリカのチケット・ブローカー。(アメリカでは、合法。)ここで、取れないチケットはない。当然、HLNも手配可能。ただし、チケットの値段が手数料込みで一枚2〜3万円。あまりにも高過ぎるので諦めた。
 その後は、各旅行代理店に問い合わせをしてみるがほとんどの代理店では、不可能。ただし広告に「ラスベガスの各種チケット手配致します。」と、うたっている旅行代理店では、一部可能な店もあった。そうはいっても、そこはあくまで旅行代理店。チケットの細かい内容に対して当然答える事は不可能。また発売日当日に、必ずチケット購入のため動いてくれるかどうか確信持てないため、こちらも諦めた。(手数料もまちまちだが、おおよそ一件5000円前後。)
 そうすると残された手段はただ一つ。クレジット・カード会社に頼むという方法。ちなみに私はいつもVISA。はっきり言ってここは海外の手配に関して、私が思う限りかなり優れている。案外知られていないが、ホテルの手配も旅行代理店に頼むより断然安いし、(もちろん、そうでないものもあると思うが。)何年か前、ヨーロッパの鉄道の手配もここの手数料が一番安かったし、おまけにセリエAのチケットも当時格安の手数料で手配可能なところはVISAだけでした。(海外に関しては、やはりJCBよりVISA。もし、どなたかVISA以上にお得な手配先、旅行代理店等ありましたら、ぜひ教えて下さい。よろしく、お願い致します。)イベントのチケット手配料は2000円+チケットの額面の22〜25%。(あれっ、随分値上がりしたなー。)手数料が値上がりしたのが気になるが、ここに頼もうと思っていた矢先に、HLNのコンサート会場となるシーザース・パレス・ホテルに日本事務所があることを発見。早速問い合わせてみると、チケットの手配は可能だがチケット発売は公演日の一ヶ月前から発売なので、(シーザースで行われる公演は全て公演日の一ヶ月前に発売とのこと。)できれば、発売日の2〜3日前にもう一度、電話を入れてもらえればオーダーを入れてくれるとのこと。(ちなみに、私は発売日の二ヶ月半前に電話している。)この間に、他のコンサート・チケットの手配や航空券、ホテルの手配を済ませる。
 さて、いよいよ発売日の2〜3日前。それ以外の旅行の手続きは全て終え、残すはこのHLNのチケットのみ。ついにシーザースの日本事務所へ電話した。

 私:「11月10日と12日、二公演分のHLNのチケットが欲しいのですが。」
 相手女性担当者(以下女担):「わかりました。ただ発売日が日本時間では土曜日の為、日本からのオーダーは翌週の月曜日になりますが、よろしいですか?」
 私:「えっ、それじゃあもし売り切れていたら、どうしてくれるんですか。わざわざ日本から観に行くのに。それに発売2〜3日前に電話すればオーダー入れてくれるって言ったじゃないですか。(事実)」
 女担:「私は、そんな事、言ってません!それに売り切れなんて、めったにありませんよ。」(怒り口調。)
 私:「それでも、よい席は取れないでしょ!2日間も観るのに余った席で、後ろの方なんてイヤだ!!」(キレる寸前。)
 女担:「そんなに心配なら、直接ラスベガスのシーザースに電話すればいいでしょ!!」(ほとんど、怒鳴り声。)
 私:「わかったよ、そうするよ!!!」 

 と言い、ガチャっと受話器を叩きつけた。そうは言ったものの私とて、さほど英語ができる訳ではないが、それを見越して直接電話しろなんて言った女性担当者に怒りが収まらない。それにどうせベガスのホテルなんて、どこでも日本語の話せる従業員がいるに決まっていると思い早速電話した。案の定ホテルの交換に日本語を話せる従業員をお願いしたところ、しばらくして、日本語が話せる人が受話器口にでた。(一安心。)
 ここからは、トントン拍子。先程までの経緯を話し自分がどれだけコンサートを楽しみにしているかを語ったところ、あっさりと「わかりました。日本の事務所にあなたがもう一度電話して、今すぐオーダーを入れてもらって下さい。私が発売日当日にチケットを手配してあげるから。」と。まさに神の声。何度も何度もお礼を言い電話を切った。
 そして再び、日本事務所へ電話。先程のカンジ悪い女性担当者氏が出たが、ここで彼女の機嫌を損ねては何の意味もない。内心、勝ち誇りながらも、勤めて丁寧にベガスへの電話の経緯を話、オーダーをお願いした。女性担当者氏もさすがに自分の誤りに気が付いた様子で、快く引き受けてくれた。ここで、ようやくHLNのチケット手配が、完了した。
 後になって思えばHLN意外にも今回の旅行で、ブルース・スプリングスティーンとリッキー・マーティンのコンサート・チケットを手配したが、どう考えてもこちらの手配の方が大変と思っていたが、結果的にはHLNが一番苦労するハメに。人生、わからんもんだなー。


(現地編)

 という訳で、やって着ましたラスベガス。もう、空港に到着してすぐ、ロビーのスロット・マシンを見つけ、観光地の臭いが、もうプンプン。気分はウキウキ、おのぼりさん。
 自分達が泊まるホテルの隣がシーザースだったため、ホテル・チェックイン後まずはチケットの引き取りに出掛けた。
 ラスベガスのホテルはとにかくやたらとデカい事で有名。建物はすぐそこに見えても、歩けど歩けどなかなか着かない。やっとホテルにたどり着いても、入り口を入ってすぐに、これまた広〜いカジノ・フロア。そこを横切り、やっとチケットボックスへ。
 チケットの引き取りは、すんなりできた。2日間観る予定なので、2日間のチケットを引き換えたが、まるっきり同じ席。
 受け付けのオバチャンが「同じ公演を2回も観るなんて物好きだねー。」と言われたのですかさず「HLNの大ファンで、日本から来たんダー。ところで、彼らはこのホテルに泊まってるの?」とありがちな質問をする私。そこで、オバチャン「知らない。」の一言。(そりゃ当然。)
 座席表で席の確認。ド真中の前から8列目。(ド真中は結構だが前から8列目に少―し不満。)
 チケットを引き換え、一応会場も確認しておこうと思い、オバチャンに場所を聞き、再び歩き出した。それにしても、ホテル内はホントに広い。会場となるサーカス・マキシマムまでは、またカジノフロアを通らなければならない。ホテル入り口を入ってすぐは、マシン中心のフロアだが、今度はテーブルゲームのフロアを横切る。さらに奥に進むと、やっと会場入り口を見つけました。ともすれば見落としがちな入り口を見つけ一安心。後は、明日の公演を待つのみ。
 その後は、ベガス観光へと繰り出した。

 11月9日。いよいよコンサート当日。
 開演時間は夜8時。開場は1時間前と聞いていたので、7時過ぎには、会場へ。
 入り口に着くと、ゲートが二つ。1つは、人々が数人並んでおり、もう1つはガラガラ。ガラガラの方は、ハイローラー用(カジノでたくさんのお金を賭ける人達のこと。)当然我々は、人々は並んでいる方に。入り口手前にお土産が売っていたので、覗いてみると、なんとダンガリー・シャツのみ。パンフレット等の他のグッズは何もなかった。
 ここでは、指定席にもかかわらず、お客の1グループにタキシード姿の案内係りが付いて、席まで案内してくれる。まさにラスベガスならではで、とても大人の雰囲気。会場内はおおよそ、ふたてにわかれており、会場の前方半分の席は長テーブルで、1列8名、合い向かいで、1テーブル16名が座れる。ここでお酒を飲みながらライブを楽しむという、まさにカジノのショー・スタイル。日本人の私ですら、狭く感じたので、アメリカ人は相当キツいだろう。後方の半分は、ボックス・シート。こちらは恐らくハイローラー用でソファもとっても豪華。(ここで、シャンパンでも飲んだら、さぞ気分いいだろうなー。)会場の定員は1000名なので、どこからでも観やすい。
 テーブルの上にはメニューがあり、眺めているとウエイターがやって来た。オーダーは当然、バドワイザー。(なんてったって、もうだいぶ前になるが、日本でヒューイ達がCMに出ていたので。)ほどなくして、ビールが届きやっと、一息。落ち着いて辺りを見廻すとお客は、ズバリ、アメリカ人の中年オジさん、オバさんばっかり。(しかも、皆、白人)これには、正直、驚いた。(もう少し若い人もいてもいいのになー。ファンが白人の中年ばっかじゃ、ヒューイ達もこれから先、危ないかも。)しかも、基本的には、皆カップル。(おそらく夫婦)もしくは、夫婦同士のお友達と言ったところだ。(これは、アメリカらしい。きっと、国内旅行でやって来た観光客ばかりなのだろう。)

 そうこうしているうちに、いよいよ8時。ほぼピッタリにショーが始まった。

 ヒューイを見た瞬間、「わっ、出たホンモノ!。しかも全然、容姿が変わらなーい。(これって、老けないって意味です。)」が感想。会場が小さい分、非常にリラックスして歌っている。大きな会場だと、変にオーバー・アクションになっちゃうけど、そんなことはなく、普段のヒューイ達を観ているようで、なんだかとってもうれしい。
 始まる前は、観客が立ち上がって観るのか、座って観るのか興味津々だったが、ショーが始まっても誰一人立ち上がらなかった。しかし、そうは言ってもアメリカ人。座りながらも、たくさんの人が音楽に合わせて、ルズムを取ったり、体を揺らし思い思い楽しんでいる。さらに、ショーが始まってからも、せっせと飲み物を運ぶウェイターには「邪魔だー!見えない、下がれー!!」の声が挙がっていた。
 再び視線をステージに戻すと、前から8列目だが、テーブル席なので、非常に間近かにヒューイが観れ、さらにバンドのメンバーを良く観える、絶好のポジション。(私は最前列が好きだが、最前列だとヒューイは近いがバンドのメンバーは観ずらいかも。)音響効果もかなりレベルで、ここからイッキに彼らのプレイに引き込まれていく。おー、ホントに歌ってるよー。それにしても随分リラックスしながら、プレイしているなー。なんだかリハーサルを観ているようだ。(だんだん記憶がなくなっていく)これって、寝ている訳ではありません。感動と興奮のあまり記憶がとんでいるのです。
 途中には、恒例のアカペラ(これがまた最高。)あり、またヒューイがお客のテーブルの上にのっかって、歌ったりしながらのおよそ1時間30分。本当に「あっ」という間の出来事だった。気が付いたらもう終わり。1時間30分のショーで短い気もしたけど、会場が小さいからこんなものかも。それにしても日本にいる時は、「もうHLNなんて一生、観れないかも。」って思っていたので、やはり感無量でした。

 


(おわりに)

 11月10日に続き12日も同じ公演を観たのですが、やはり記憶が全くありません。(多分セットリストは変わりません。)そんな中、一つ記憶に残る事と言えば、コンサート最中のメンバー紹介の時にヒューイが「ブラック・ジャック大好きなジョニー・コーラ。」と紹介していました。よって、公演終了後、カジノのブラック・ジャックのフロアでずっとジョニーを待っていたのですが、やはり最後までジョニーは現れませんでした。(笑)多分、ハイローラー用の別室でプレイしているのでしょう。これで、ジョニーに会えたら最高の思い出になったんだろうなー。それでも2公演も観れたので、私にとっては一生の思い出となりました。


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